Slide_Sony_Atsugi_Tech_2020_07_10_Slide011_to_020.html
by Yoshiaki Daimon Hagiwara
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下記の内容をメモ帳に COPYしてまず印刷出力して、
それを読みながら、DOWN LOADした PPTの各々の
Slideを見てください。理解するのを助けると思います。
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Slide 011
イノベーションにおいて技術革新のみが重要視
されるが、実際に成功させるためには「知 の創造」
「知 の具現化」「知 の商業化」の3つが不可欠です。
萩原は今回それを「三知一体論」と呼びました。
SONY の知恵袋がイノベーションの真実を語った本です。
2000年に入り萩原は半導体の技術戦略部門や
技術企画室の室長として奉仕していた時期、本社
では、武田とおるさんが本社の経営戦略室の室長
をされていて、よく本社に行っては彼のところで
萩原は油を売っていました。この本には彼の経験、
成功と失敗についてはあまり触れていませんが、
SONYの成功と失敗について彼のするどい観察力
により、また彼の独特の、経営哲学を基礎して、
豊富な内容が記載されています。
Slide 012
「三知一体論」とは、簡単にいうと、
車には運転手が必要だし、
エンジンがあっても、
車輪がないと前には進まない。
といことです。
彼は、萩原との個人的な会話で説明してくれました。
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萩原さん、ご一読いただいた
ようなので、趣旨はご理解いた
だきましたが、一言でいえば、
井深さんがよく言ってた、
「1-10-100の法則」をかみ砕い
たもので、「イノベーションとは、
「発明」ではなく、「事業化する
こと」であり、「発明はカンタン
だが『商業化』できてナンボの
モノ」ということに尽きます。
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論点が少しずれますが、
もとSONY(株)会長で産総研の所長・理事長を
歴任された中鉢良治さんは、SONYの半導体
事業本部のTOPも歴任された方で萩原の直属
の上司だったこともあります。
彼は、仕事と人生の羅津盤「迷いの先に」題して
自書を出版されています。
ISBN978-4-8222-5985-3
定価 本体1500円+税
発行 日経BP社
発売 日経BPマーケティング
2017年10月2日出版
その本書の中で、以下の様にコメントされています:
「よきモノづくりは、最初の開発意図が最終製品にまで
引き継がれ、それが消費者にとどけることである。」
ソニーの創業者の井深大さんの「1,10,100の法則」
という言葉がある。
(1)あるアイデアを考えて商品のイメージを形づくる努力を1とすると
(2)それを商品として量産化するために10の努力、
(3)そして事業化し売り上げを立て、利益を出すには
100の努力が必要である。
という法則です。これは鋭い事実を語っています。
(1)は1人の天才により実行され、
(2)は10人の秀才により実行され、
(3)は100人の凡才により実行される
ということを意味します。
天才も秀才も凡才も力を合わせてみんなで
同じものに仲良く同じ目的で努力し夢が
はじめてかなうので、ひとそれぞれが、
自分の持ち場で働けるように分け隔てなく
経営者は人の重要性を認識して、天才も
秀才も凡人も大切にするのが経営者の
本当の姿であると井深大さんは自分の
信念を語っています。それがあったから
こそ、今のSONYがあると萩原は納得
しています。
また、中鉢さんは自分が開発した8ミリビデオ開発に
不可欠な最重要デバイスのメタルテープの開発実経験
の回想談をこの本の中で掲載しています。
「しかし、メタルテープの開発で初勝利を上げるのに、
結局8年もかかってしまった。それでも私は幸運だった
のは、当時ソニーが社運をかけていた8ミリビデオ開発
の最重要デバイスにメタルテープが位置づけられ、
次々と優秀な人材が投入されていったことだった。
その人材の中には、大学を出ていないが、実験の精度
はピカイチという人もいた。」とコメントしています。
メタルテープの発明者(天才)についての言及はあり
ませんが、自分が開発者(秀才)であるとの意味に
とれます。また大学を出ていないピカイチの方も
開発者(秀才)と解釈できます。そして工場でいろいろ
な方、タクシーの運転士のおじさん達や生協でレジ
をしていた主婦のおばさん達も工場の従業員として
普通の人(凡才)が大勢採用され、みんなが全力で
同じ目的、いい製品を世に出すために努力したこと
はたいへん美しい話であると萩原は感動しています。
Slide 013
また、話を 武田立(とおる)さんの話に戻しますが、
2020年3月刊行の「技術の系統化調査報告書」にも
「書込型光ディスク技術の系統化調査書」を掲載
しています。その報告書には Fuji Filmの斎藤さんが
「 磁気テープ技術の系統化調査書」を掲載し、
両方の調査報告書は SONYの過去の栄光の
歴史をまとめたものとなっています。
Slide 014
5つ目の本は川名喜之さんの著書で限定版で非売品ですが、
「ソニー初期の半導体開発記録」-企業戦略と発展の原動力ー
と際する本です。この中にどうして、SONYが世界一の半導体
技術を持っていたかの疑問に答える事実がいろいろと記録、
記載されています。
Slide 015
●SONYの半導体がどうして昔も今も日本一なのか?
●どうして Bipolar Transistorで世界一だったのか?
とい疑問の解答がこの本に中に含まれています。
Slide 016
●ここで、ベル研が1947年の暮れにはじめて
原理試作に成功したコンタクト型 Bipolar Trasistor
の構造を紹介します。
それ迄ではラジオもテレビも真空管です。
真空管の動作原理は周知情報でした。
真空管と同じ電流増幅する半導体素子があるはずだと
いう信念のもと、いろいろ試行錯誤してベル研が
1947年の暮れにはじめて原理試作に成功しました。
もともとすでにダイオードは発明されていました。
また二極真空管は初めて 電流の整流装置として発展しました。
プラスの電圧の一方の電極にかけても電流が流れません。
しかしマイナスので電圧をその電極をかけると電流が流れました。
そのころは PN接合型の ダイオードはすでに発明されていました。
ダイオードは 二極真空管を半導体に置き換えたものです。
だから三極真空管に相当する半導体の電流増幅素子が
必ずあるはずだと言う信念で世界中の科学者はその
発見試作に挑戦していました。
Slide 017
1956年には ゲルマニウム結晶より
シリコン結晶に方がより高性能な
Bipolar Transisitor が製造されるように
なりました。
Slide 018
SONYが半導体産業で世界一の座を築けたのは
塚本哲郎さん、川名喜之さんや加藤俊夫さんが
いくつもの製造工程に改良工夫を実現したからです。
その結果、SONYは世界で最強の POWER
Bipolar Transistorの開発商品化が大きな要因でした。
Slide 019
この図は 川名喜之さんと加藤俊夫さんが改良工夫
して図を示します。SONYはこれを特許化せず、
社内の極秘KNOWHOWとして他言無用で開発
商品化を進めました。それがSONYを世界一の
高性能半導体素子の製造企業にしました。
この図は 川名喜之さんと加藤俊夫さんが改良工夫
して図を示します。SONYはこれを特許化せず、
社内の極秘KNOWHOWとして他言無用で開発
商品化を進めました。それがSONYを世界一の
高性能半導体素子の製造企業にしました。
Slide 020
1990年に Dr. Bardeen が SONYを訪問しました。
Dr. Bardeen は「SONYが BIPOLAR
TRANISISTORを使えるものに開発生産し
トランジスタにして世に出して商品化してくれた
から、自分たちはノーベル賞をいただいた」と
SONYの感謝の気持ちを表現されていました。
まさにこれは、武田とおるさんが唱える、
三知一体論です。
イノベーションにおいて、技術革新のみが重要視
されるが、実際に成功させるためには
(1)「知 の創造」 すなわち、発明特許とその原理試作
(2)「知 の具現化」すなわち、社会が利用できる完成した
製品の形にする力
(3)そして、「知 の商業化」、大賀さんの様な、
「お客様の琴線に触れる製品を世に出す」
という3つが不可欠です。
(1)「知 の創造」 すなわち、発明特許とその原理試作
ベル研と3人の科学者の仕事でした。
(2)「知 の具現化」すなわち、社会が利用できる完成した
製品の形にする力
井深大さん、岩間和夫さん、塚本哲郎さん、岩田三郎さん、
川名喜之さん、加藤俊夫さんの5人組の力でした。
(3)そして、「知 の商業化」では、
お客様のこころを掴むことを最優先として
大賀さんや、盛田会長のSONYの高級志向の
TOPの戦略が非常に重要だったと理解します。
SONYは COST競走には入らない、
それに徹す盛田さん、大賀さんの信念が大切でした。
いずれ、COST 競争になると、ライバルが追従し
自分の首を絞めることを盛田さんも大賀さんもよく
理解した上での、「知 の商業化」でした。。。
いずれは Image Sensor Storyとして 一般の文系の人でも
理解できる内容として、和文で本を一冊出版したいです。
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