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index006_Sony_Fairchild_Patent_War.html

   
(6) 米国 Fairchild社とSONYの特許戦争について

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毎朝6時前から1時間、自宅のそばの小川沿いや野道を Walking。

     毎朝、健康のために、妻と萩原は歩いています。

    その時に萩原が撮った写真と妻の絵手紙です。


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「賢い電子の目」が、その発明者である、もとSONYの萩原良昭を見ています。










 

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   70歳のじじいのつぶやきです(笑顔).

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     萩原1975年特許 ( pinned photo diode Patent 1975) の解説  

     萩原1975年特許 ( pinned photo diode Patent 1975) の原文

     萩原1975年特許( pinned photo diode Patnet 1975 )の画像

      https://patents.justia.com/inventor/yoshiaki-hagiwara

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(1) Introduction

(2) Sony original HAD sensor の背景

(3) the pinned photo diode と Sony original HAD sensorは同じもの

(4) 萩原良昭の自己紹介と活動報告

(5) 萩原1975年出願特許( Hagiwara Diode の発明)のお話

(6) 米国 Fairchild社とSONYの特許戦争について <--


(7) NEC日電とSONYの特許戦争について

(8) Fossum 2014年 Fake 論文について

(9) まとめ


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(6) 米国 Fairchild社とSONYの特許戦争について

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SONYは長年、このHagiwara Diode に関する特許戦争で苦労をしてきました。


まず、1991年から2000年に渡る米国 Fairchild社との特許戦争がありました。





この米国 Fairchild社とSONYの、埋め込み overflow drain 構造に関する特許戦争での最大の問題は、

Fairchild社の特許 (Early Patent)が1975年7月22日出願で、一方、SONYの特許( Hagiwara Patent)は

1975年11月10日出願で、数か月先行しており、Fairchild社が先願特許と位置付けられたことでした。


その為、この2つの特許の構造の違いと、その特徴の違いを詳細に、特にそのVOD構造の違いを技術的に

半導体物理や半導体素子の動作原理を理解していない裁判の陪審員や審査官にどう説明できるかが最大の

問題でした。SONY側の技術擁護弁論者として、当時 UC Davis の教授の Prof. Bob Bowerに高額の

依頼費をSONYは出していました。偶然にも Prof. Bob Bowerが Caltechの卒業生で、萩原の先輩である

ことが判明し、初めて、Prof. Bob Bowerからの連絡で、米国 Fairchildと SONYの特許戦争の話を非公式に

萩原は知りました。萩原はすでにSONYでは image sensorの仕事はしていませんでしたので、SONY内部

としては極秘事項なのでその裁判の詳細を知る余地はありませんでした。しかし、その特許戦争の対象となる

のは萩原が1975年に出願した萩原特許( Hagiwara Diode ) と Early Patent の本質の違いを明らかにする

ことでした。当時、萩原は ISSCCなど国際学会出席のついでに、UC Davis 勤務のProf. Bob Bowerの自宅

を訪問し、いろいろ非公式に、日本語で書かれた萩原特許( Hagiwara Diode ) について Prof. Bob Bowerに

その詳細と背景について説明しました。









萩原はその裁判の外の人間でした。SONYは、萩原の存在自体を裁判の流れにどう影響するか不安でした。


最悪の場合、感情論となり、「萩原はもと米国の留学生で米国から知識を米国から持って帰った、いや盗んだ

悪人だ。」と陪審員が感じ取る危険性もあったわけです。でもいずれ、SONY保有特許が萩原の発明で、

萩原が誰なのかは隠していてもいずれは暴露されることは明白でした。SONYは裁判で最後の最後まで

萩原の名前を出しませんでしたが、最後にFairchild側からの質問で、その日本語特許の出願者がかつて、

米国留学生でCalTechの卒業生であることを、Prof. Bob Bower は明らかにしました。



それも Faichild社創設者の Dr. Gordon Moore の母校のCalTechの後輩で、Dr. Gordon Moore が、

Fairchildを去った後、新たに設立した Intel社とも、密接な産学共同プロジェクトで、萩原が深く関係して

いることを知り、その偶然に裁判関係者は驚きの顔を隠せませんでした。



しかし、その結果は、どうしたことか、陪審員はFaichild社の主張を認めた判定を下しました。

その結果は、SONY側からの人間から見ると、誰が見ても意外で、論理性がない、感情論といって

いいものだったと記憶します。やはり、萩原が米国留学生だったことが最大の問題だったのか?



しかし、萩原はそれではあきらめられませんでした。萩原が出願した特許は、米国で学んだことで

出願したものではない。萩原が1971年と1973年にSONY厚木工場で、 Bipolar Transistorの

製造ラインで、宇野さんや小笠原さんや中野くんたちから教えてもらった、カラーテレビ用の

Bipolar Transistor集積回路の信頼性の問題、すなわち、サイリスタ―動作の punch-thru の

問題をヒントに、考案したのが1975年の萩原特許( Hagiwara Diode ) である。


1975年2月20日の途中入社扱いで萩原が、SONY中央研究所に配属された時、開発部隊の

先輩だった山崎さん、山中さん、名雲さん、西村さん、中田さんから、CCD image sensorを

使ったカメラシステムの特性をいろいろ教えてもらった時に、CCDでは色再現が悪く、致命的で、

当時残像はCCDはなかったが、残像が問題のMOS image sensorの方が色再現がいいと

教えてもらった。CCDは受光部には適さないと教えてもらった。それで、受光部にはやはり当時の

MOS image sensor と同じく、 N+P 接合型がいいと萩原は理解した。しかし、するとCCDの良さ、

完全空乏層電荷転送による残像なしの特徴が実現できなくなる。それをどう解決するか、その

ためには、埋め込みチャネルCCD型と同じく、N-P 接合型の受光構造がいい、しかし、埋め込み

チャネル型は trap 雑音は回避できたが、酸化膜界面の電界がかかるので表面結合電流が増加し

受光時間に暗電流が発生し、これが暗電流雑音となる。この、N-P 接合型の受光構造でも不完全で

ある。そこで、萩原は思い出した。萩原が1971年と1973年にSONY厚木工場で、 Bipolar Transistor

の製造ラインで、宇野さんや小笠原さんや中野くんたちから教えてもらった、カラーテレビ用の

Bipolar Transistor集積回路の信頼性の問題、すなわち、サイリスタ―動作の punch-thru の

問題を思い出した。それをヒントに、考案したのが1975年の萩原特許( Hagiwara Diode ) である。





CCD型受光部の最大の問題点、金属性電極による光感度の問題を解決するために考案したのが、

サイリスタ型の、P+NPNsub 接合型受光素子構造( Hagiwara Diode ) の発明だった。米国で萩原が

学んだ知識だけはないと萩原は自信をもって言えた。


実は1972年に CalTechで Prof. C.A. Meadの指導のもと、Computerの検索エンジンに不可欠な

集積回路 silicon chip として、128 bit のdata stream を高速並列処理比較回路 ( 128 bit data

comparator silicon chip ) の集積回路を 当時の Intel の標準プロセス製造ラインで試作し、

大学(CalTech)に持ち帰り、評価し動作確認し、Intel社の技術者(Caltechの萩原の先輩)と連名で、

IEEE Journal of Solid State Circuits (1976年)に産学協同論文として投稿していました。


萩原はいろいろな国際会議の論文委員として奉仕していたことが幸いし、多くの他社の技術者との

交流も深く、連絡を取り合い、いろいろ意見を聞き、アドバイスをもらい、それを Prof. Bob Bpwerに

feedback して、SONY側の技術養護弁論をProf. Bob Bpwerに託していました。





この米国 Fairchild社とSONYの特許戦争でやっとSONYは勝利し、萩原は、大賀会長、出井社長ほか、

当時のSONYのTOPの方々から労いの言葉をいただいています。萩原はただ自分の誇りを守るために

努力したのみです。自分がこの特許の発明者であることを証明するために努力しただけで、SONYからも

誰からもお金は全くもらっていません。





(7)この米国Fairchikd社とSONYの特許紛争ではSONYは勝利しましたが、当然、SONY一社の技術者の

  特許だけでは到底最高の商品を自社開発することは不可能です。多くの他の企業の技術者との連携や

  彼らの知恵(特許)も使って初めて最高の商品が顧客に提供することができます。小さな特許では付属

  特許として、派生特許としてどこの企業でも他社に特許料を支払うことはあります。SONYも同様です。


  しかし、主力商品の重要特許に関してはやはり自社で特許を保有していないと、なかなか大きく事業

  展開は難しいです。 SONYは今では 世界の image sensor の市場の6割以上を独占する勢いとなり、

  その image sensor単体のみの売上売り上げだけでも1兆円以上規模になりました。最高の性能は

  自社の特許だけではカバーできません。多くの他の企業や研究機関の技術者との連携と彼らの

  知恵(特許)も最高の製品の追求には不可欠です。しかし、それも自社で一番強力な特許があっての

  ビジネスの世界の話です。それが萩原が1975年発明した自称 Hagiwara Diode 特許です。


  SONYは長年、このHagiwara Diode に関する特許戦争で苦労をしてきました。まず、1991年から

  2000年に渡る米国 Fairchild社との特許戦争がありました。またNECとSONYの間では水面下で、

  同じHagiwara Diode に関する特許戦争がありました。この2つの大きな特許戦争の勝利を得て、

  萩原もやっと1975年発明の自称 Hagiwara Diode 、 SONY original HAD sensorの生みの親で

  あることがSONY社内でも公式に認められました。それまでは特許戦争の行方が不透明で社内でも、

  1975年の萩原特許の存在は社内でもあまり公表されず、 image sensorの開発技術者の間でも、

  萩原1975年特許の存在は知られていませんでした。また社内で特許褒賞を受賞しても特許番号だけで、

  その特許の詳細内容は社内でも公開されておらず、社内のほんの数人の特許関係者以外は、この

  萩原特許の詳細を理解している社内技術者は、ほとんど皆無でした。その理由は、もう1975年特許

  と古く時効で、特許効力・市場価値がない「終わった人の特許」と見なされていたからでした。



  しかし、それでも、SONY社内で初めて公式に、SONY original HAD sensor が 萩原の1975年の発明

  であると認められた瞬間でした。


  この意外な事実を初めて知った、社内の image sensorの開発技術者は、驚いた様子でした。


  重要な技術情報が社内で詳細に共有されていなかったことに疑問を感じた若い技術者もいました。

  やはり、特許が公開されたものに関しては、社内社外の特許に関わらず、担当の開発技術者が

  全員情報共有する必要があると萩原は実感しました。お互いに、先人が出した特許を学習し、

  さらにそれを超える特許を出す勉強会などをもっと奨励することの大切さを感じた若者もいました。

  
  それまでの秘密主義の image sensorの 技術管理TOPの態度に疑問を持つものもいました。

  
  一般論ですが、技術管理者(課長や部長職)は部下の特許を把握し、それをヒントに部下に内緒で

  自分の部下のアイデアを盗み、ヒントにして、勝手に課長や部長が特許を出願し、その部下が生意気で

  邪魔になると、その部下を首にして職場を移動させることも可能です。 特許は 2~5年の間公開される

  までは極秘扱いであることをいいことにして、その間にいろいろ派生特許も出せる立場にあります。会社

  としては誰が発明しようがまったく関与せず、会社の所有であることには違いないので、それ以上は深く

  事実関係を追求しません。特許が 2~5年後、公開される頃には、もうその部下も職場におらず、その

  課長や部長が出願した特許の存在を知る余地はありません。そういう悲しい状況が生まれる危険が、

  情報シェアされない職場にはあると萩原は当時実感しました。

  







  しかし、その後、SONYの多くの技術者開発者の努力が報われ、現在 SONYは世界のimage sensor の市場の

  6割以上を独占する勢いとなり、これからもさらなる発展が期待されています。


 

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      Please judge yourself if the story is a truth or a fiction ?.

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Story of Sony original HAD sensor (1)

 More Story (1) , Story(2), Story(3)

Story of Sony original HAD sensor (2)    
Story of Sony original HAD sensor (3)


Story of Sony original HAD sensor (4)

Story of Sony original HAD sensor (5)
      
Story of Sony original HAD sensor (6)

Story of Sony original HAD sensor(7)

Story of Sony original HAD sensor(8)


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毎朝6時前から1時間、自宅のそばの小川沿いや野道を Walking。

     毎朝、健康のために、妻と萩原は歩いています。

    その時に萩原が撮った写真と妻の絵手紙です。


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   ●荻野中学校の今月の絵手紙はこちらをclick してください。


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「賢い電子の目」が、その発明者である、もとSONYの萩原良昭を見ています。

 


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    デジタル回路の世界

    補足資料(Appendix)

  (おまけ) 高校生数学でわかる雑学相対性理論

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ISBN 978-4-88359-339-2 C3055

本体 9000円+税 

B5サイズ 上製 475ページ (ハードカバー)

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  書籍の出版社の紹介  

 TEL: 042-765-6460(代)   青山社

https://www.seizansha.co.jp/ISBN/ISBN978-4-88359-339-2.html


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                     内容紹介

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(1) Introduction

(2) Sony original HAD sensor の背景

(3) the pinned photo diode と Sony original HAD sensorは同じもの

(4) 萩原良昭の自己紹介と活動報告

(5) 萩原1975年出願特許( Hagiwara Diode の発明)のお話

(6) 米国 Fairchild社とSONYの特許戦争について

(7) NEC日電とSONYの特許戦争について

(8) Fossum 2014年 Fake 論文について

(9) まとめ


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