**********************

The AIPS ( Artificial Intelligent Partner System ) Home Page 022

**********************










******************************************************************

(1) Pinned Photo Diodeとはどんな構造をしたものでしょうか?

(2) Pinned Photo Diodeは誰が発明したものでしょうか?

(3)小型コンパクトデジカメとは、一体どんなものなんでしょうか?

(4) CCD型 コンパクト デジカメの開発者は誰でしょうか?

(5) CMOS型のコンパクト デジカメの開発者は誰でしょうか?


******************************************************************

現在みなさんがお使いのスマフォやデジカメなどに搭載の CMOS Image Sensor
は人間の目よりはるかに感度が良く高解像度で細かく鮮明に映像を撮ることが
できます。その理由は「賢い電子の目」と言われる、人間の目の網膜細胞に相当
する半導体受光素子、別名 Pinned Photo Diode と言われるものが考案され、
それが実用化され、皆さんの小型カメラの共通部品として搭載されているからです。

(1)ではその Pinned Photo Diodeとはどんな構造をしたものでしょうか?

   (答)  PNP 接合型の光を感知する半導体受光素子です。

        信号電荷(マイナス電荷の電子)の蓄積部であるN層が
        両側からはPN接合で、包む様に保護された構造です。
        両側のP層は同じ固定( pinned ) 電圧となっています。
        一般に Pinned Photo Diode と呼ばれる様になりました。
        また、P層はプラス電荷の正孔(Hole) が蓄積していること
        から、SONYは商標登録し、 SONY original HAD sensor
        と呼び、世界の image sensor の市場を制覇しました。
        HAD は Hole Accumulation Diode の略字です。SONY
        の original であることを、SONY Brand 名として強調した
        もので、それが Pinned Photo Diode と同じものである
        ことはあまり一般の知識陣にも知られていません。両者は
        同じものです。SONY HAD も Pinned Photo Diode も全く
        同じものです。NECでは、このN層が埋め込まれている
        ということから、Buried Photo Diode と呼びました。全く、
        名称がいろいろあり、まぎらわしい限りです。
         
          

(2)では、Pinned Photo Diodeは誰が発明したものでしょうか?

(答) 萩原がSONY勤務時代1975年に発明しました。
    萩原は2つの基本特許 を考案しています。
   
   1つは、P+NPNsub 接合型の Pinned Photo Diode
     ( 日本国特許 1975-134985 )です。



    このPinned Photo Diode 搭載の超高感度 CCD image sensor の
    原理試作は1978年にSONYの盛田会長が New York で、同時に、
    SONYの岩間社長が東京で Press Conference を開催し、多くの
    新聞記者の前で、民生小型超感度ビデオカメラ時代を宣言しました。




上の写真はSONY(株)のご好意でいただいたたものです。

Front Lihgt と Back Light の 2つの CMOS image sensor
の輝度を比較したものです。


この裏面照射型のPinned Photo Diode も萩原が1975年に考案し、
特許出願 ( 1975-127647 ) したものです。40年以上前の発明です。

NPNN+ 接合型の Pinned Photo Diode です。 
 
こちらの特許は裏面照射型の今のCMOS image sensorに採用
されている光感知部(人間の目でいうと網膜細胞)そのものです。




もう1つ、世界は誤解しています。DRAMの基本回路とMOS image sensor の受光部
の回路はまったく同じものです。そのことを世界は忘れています。DRAMの基本回路は
今は one transistor 型ですが、intel 社が最初に開発したのは three transistor 型の
DRAM回路です。それも Honeywell社の Bill Regits が発明し、Intel社が世界で最初
に採用し商品化したものです。それが元で、 Intel社は成功し、今の大きな国際企業に
成長しました。その回路は誰もが周知の回路です。そのDRAM回路がそのままMOS型
のimage sensor に採用できることは1969年のimage sensorを開発する技術者には
周知のことでした。別に、Fossum が 1990年代になって発明したとちやほやされる
ものではありません。すでに、1969年には知られていた回路です。









(3)小型コンパクトデジカメとは、一体どんなものなんでしょうか?

(答) 手のひらに乗っかるものでないと小型デジカメとは
    定義されません。次の5つの基本電気部品で構成されます。
 
    (i) 人間の目の網膜細胞に相当する、光信号を電荷信号に
      変換する Pinned Photo Diode

    (ii) アナログ信号電荷を転送する電荷転送装置(CTD)で 
      CCD型とCMOS型があります。

    (iii) アナログ信号を高速でデジタル信号に
      変換するA/D 変換器回路、

    (iv) 高速にデジタル信号を一時記憶する高速に画像情報を
      保存する、 Fast CMOS Cache SRAM メモリー回路

    (v) 低速ですが、しかし永久保存用で小型半導体チップの
       不揮発性半導体メモリー(NVRAM)回路

     コンパクト デジカメも綜合技術です。

     一人の人間で開発できるものではありません。

     デジカメの発明者はいろいろな段階でいろいろ理屈をつければ
     それぞれの部品を発明した人、一人ひとりが発明者になってしまいます。


    それを全部まとめてたくさんの人間がシステム構築して、最終的に、
    コンパクト製品として開発しされたものです。



(4) CCD型 コンパクト デジカメの開発者は誰でしょうか?

   CCD型 コンパクト デジカメも綜合技術です。

    CCD型の出力信号はアナログ信号です。

    すでにCCDが発明された時代には AD変換器も高速デジタルメモリ回路、
    すなわち、Fast Cache SRAM も、またそのデジタル情報から必要とする
    情報を抽出し、そして、画像処理をするデジタル高速コンピュータも存在
    していました。しかし、その物理的な大きさは手のひらに乗る大きさでは
    ありません。

    デジカメという言葉は「手のひらサイズのコンパクトカメラ」と定義されます。
  
    大型電子計算機の機能を小型PCが実行できる技術革新が起きました。

    それと同様に手のひらサイズのデジカメが出現するのも時間の問題でした。

     しかし、たくさんの基本部品があり、一人の人間で開発できるものでは
     決してありません。デジカメの発明者はいろいろな段階でいろいろ理屈を
     つければ、それぞれの部品を発明した人、一人ひとりが発明者になって
     しまいます。実際は、たくさんの人間がそれを全部まとめてシステム構築
     して、最終的に、コンパクト製品として開発します。膨大な企業の資本力と
     その企業で働く多くに勤勉な開発研究技術者陣のなせる技(わざ)です。


    SONYは世界でいち早く、「手のひらサイズのコンパクトカメラ」を実現する為に
    高速 Cache SRAM の開発に着手しました。日本の各社が 4M bit DRAM で
    世界の半導体市場を制覇していた頃、SONYは独自に高速Cache 用の、世界
    初の高速アクセス時間、25 nanosec で、 4 M bit と大容量のCache SRAMの
    開発に成功し、ISSCC1989 の半導体集積回路の世界最大の国際会議で
    発表しました。

    
    
    
  
    現在デジカメに不可欠な、低速で永久保存用の小型不揮発性半導体
    メモリー(NVRAM)の基本回路構造は、もともと米国ベル研の 
    Prof. Simon Sze の研究者チームが発明したものです。もともと Intel社
    が NOR 型で商品化していましたが、より集積度が取れる NAND 型で、
    外岡さんが東芝時代に発明した NAND Flash と呼ばれるもので
    低価格普及商品となりました。

    しかし、コンパクトデジカメ用に Pinned Photo Diode も AD変換器も 
    高速SRAMも、SONYの技術者が最初に自社開発しました。

    CCD型転送装置はベル研の発明ですが、それ以外はすべて、
    NVRAMの以前のFloppy Disk時代から、SONYが中心に
    なり、すべてSONYの技術者が開発したものばかりです。



(5) CMOS型のコンパクト デジカメの開発者は誰でしょうか?

   CMOS型 コンパクト デジカメも綜合技術です。

     一人の人間で開発できるものではありません。
 
    デジカメの発明者はいろいろな段階でいろいろ理屈をつければ
     それぞれの部品を発明した人、一人ひとりが発明者になってしまします。

    CMOS型 コンパクト デジカメには、光感知部( Pinned Photo Diode ) を、
    最終的に裏面照射型にする為の基本技術の開発も含みます。世界で最初に、
    1975年に、SONYの萩原は裏面照射型の光感知部( Pinned Photo Diode )
    を発明特許 ( JA 1975-127647 ) を出願しています。

    それを全部まとめてたくさんの人間がシステム構築して、最終的に、
    コンパクト製品として開発したのは、SONYの勤勉な技術者陣です。
 

    CMOS型転送装置以外はCCD型転送装置の場合と同じです。

    デジカメ用に Pinned Photo Diode も AD変換器も 
    高速SRAMもすべて基本重要部品はSONY内製で、
    SONYの技術者が開発しました。

    もともとMOS型転送装置は1970年代に日立の技術者が
    中心になり開発研究されていました。

    CMOS技術は消費電力が少ないデジタル回路の周知技術です。

    CMOSプロセスの微細化と裏面照射型が実現して、受光素子と
    その信号を増幅転送する Active 回路を別のchipに分ける
    ことが 可能となり、現在のCMOS image sensor 搭載の小型
    コンパクト デジカメが完成しました。

    これも、SONYの技術者がそれを開発しました。

    現在のCMOS image sensorには Active Source Follower 回路
    を1つ1つの光感知部( Pinned Photo Diode ) に装備する必要が
    あります。しかし、この Active Source Follower 回路技術は One
    Transistor 型の以前から実用化されていたものです。DRAM の開発
    の歴史と、MOS image sensor の開発の歴史は連動します。

    この Active Source Follower 回路技術はFossum の発明ではありません。

    1969年にHoneywell社の Bill Regitz が発明しました。 Intel 社はその
    3 transitor DRAM cell を Intel 1101 DRAM chip として商品化しました。
    当然、DRAM技術とMOS image sensor 技術は連動しており、MOS
    image sensor の開発技術者は、当時の萩原も、image sensor を自分の
    博士論文のテーマとしており、この 3 transistor 型の光感知回路構成、
    すなわち、現在、3 transistor 型 active source follower 回路構成は
    周知でした。時代背景の誤認で、昔のことを知らない新しい世代の
    技術者は one transistor 型の MOS image sensor があってから後から
    3 transistor 型 active source follower 回路構成のMOS image sensor
    が考案されたと誤解しています。

    これは本末転倒もはなはだしい、歴史背景を知らない方々の誤解です。

    決して、Fossum が発明したものではありません。

    1969年に、Honeywell社の Bill Regitzが発明したものです。
 



    Fossum が 最初の CMOS image sensor の Active 回路を発明した
    ことになっていますが、それは大きな誤解です。すでに、第1世代の
    image sensor の技術者は下の図の様に、Rigtz の発明により、その
    Rigtz 回路に対応して、 MOS image sensor の受光部にもそのActive
    回路をつけれることは周知でした。Fossum はこの回路を発明しては
    いません。当時はまだMOSプロセス技術の微細化がまだまだ未熟な
    時代でした。このActive Source Follower 回路を入れることは受光面積
    が極端に小さくすることになり実践的でありませんでした。MOSの微細
    技術が進歩すれば可能であることは周知でした。


    しかし、萩原は待てませんでした。

    すでに裏面照射型の FT 型 CCDの技術発表が報告されていました。

    裏面照射型だと、チップの表側が全域Active 回路が占有できます。
    
    そこで、萩原は裏面照射型の Pinned Photo Diode を考案し、発明
    特許 ( 1975-127647) を出願しました。

    これならActive 回路を絵素ごとに配置しても問題ありません。
    裏面は全域が光の感知領域となります。しかし、チップを薄くして
    両面を使うという発想は当時の一般にはなかなか受け入れられる
    ものではありませんでした。考案して発明特許を出願したものの、
    それが実現したのはほんの最近です(大涙)。1975年から40年以上
    が過ぎてしましました。萩原はもう70歳です。26歳で考えたものが
    やっと今になって実現し、世の中で世界中でそれが利用される時代
    になりました。 

以上をまとめます。

    (i) 人間の目の網膜細胞に相当する、光信号を電荷信号に
      変換する Pinned Photo Diode はSONYの萩原の発明です。

   寺西さんは、1975年に萩原が発明したこの受光素子を使用しただけです。


    (ii) アナログ信号電荷を転送する電荷転送装置(CTD)で 
      CCD型とCMOS型があります。

      もはやCCD型の電荷転送装置(CTD)は不要になりました。

      大昔、1969年に既に Honeywell社の Bill Regitz が発明した
       3 transistor 型の Active Source Follower 回路を、おの
      おのの光感知部 (Pinned Photo Diode ) に装備することにより、
      小さな容量に蓄積された信号電荷(電圧情報)を、Active Source
      Follower 回路で、大電流に変換して出力することにより、今までの
      CCD型の電荷転送装置(CTD)はもはや、不要になりました。

      3 transistor 型の Active Source Follower 回路の発明は、
       Fossum の発明ではありません。

     Fossum は、Honeywell社の Bill Regitzの発明した回路を使用しただけです。

   寺西さんが、1975年に萩原が発明した受光素子を使用しただけだったのと同じです。


    (iii) アナログ信号を高速でデジタル信号に変換するA/D 変換器回路、
      それを手のひらサイズ小型デジカメ専用として、そのプロセス担当の
      浅野勝昭さんと回路設計担当の2段型高速フラッシュAD変換回路の
      発明者でもある、山田隆章さんが発明し設計し、開発しました。

    (iv) 高速にデジタル信号を一時記憶する高速に画像情報を
      保存する、 Fast CMOS Cache SRAM メモリー回路、
      それを手のひらサイズ小型デジカメ専用として、萩原が
      中心となり、高速25 nanosec Access Time の 4 Mega
      SRAMを設計開発しました。その高速性を実現できたのは、
      萩原の設計チームの宮司さんが Dynamic Bit Line 方式
      のSRAM の高速読み出し手法を考案したことで実現しました。


    (v) 低速ですが、しかし永久保存用で小型半導体チップの
       不揮発性半導体メモリー(NVRAM)回路、こちらは
       もとベル研の Prof. Simon Szeの発明で、もと東芝の
       外岡さんの NAND Flash NVRAM の発明のお蔭です。

    (vi) そして、最後に CCD型の電荷転送装置(CTD)を完全に
       過去のものにしたのは、裏面照射型の image sensor の
       開発です。その構造は1975年に萩原が特許申請した構造、
       日本国特許出願(1975-127647 ) で定義された構造です。

これに関連して平成30年度文部科学大臣表彰 (科学技術部門)受賞の
ニュースを紹介します。「積層型多機能CMOSイメージセンサー構造」の
開発で ソニーの3人の献身的な技術者が受賞したニュースです。

これが世界を代表するSONYのCMOS image sensor 搭載の
デジカメがSONYの勤勉な技術者の努力の結晶で実現したことを
示す証拠です。

 https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201804/18-029/index.html


この技術のブレークスルーは未来の「かしこい電子の目」の
実現と密接に関連があります。      






**********************

これは70歳じじいのぶつぶつぼやきの独り言でした。

**********************





**********************
The AIPS image sensor watching at its inventor, Yoshiaki Hagiwara.

             return to TOP Page
**********************