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AIPS ( Artificial Intelligent Partner System ) Homepage 0009

        hagiwara-yoshiaki@aiplab.com

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これは70歳じじいのぶつぶつぼやきの独り言です。

  (9)SONYのImage Sesnorの開発の歴史

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去年久しぶりに、2018年11月19日、SONYのHADセンサー(電子の目)の
発明者の萩原は、イメージセンサー生産拠点のSONY熊本テックを訪問。



現在、日本でSONYだけがただ一社半導体のメーカーとして元気に躍進しています。

みなさんはその理由を理解していますか?企業でビジネスで成功するには3つの
重要な要素がその企業に備わっていなければなりません。

(1)まず、その企業のTOPの熱い思い、夢、Visionが大切する。
(2)そのTOPの夢を具体的に実現するための創造的な工夫と知恵を
   持った技術者集団の存在が不可欠です。
(3)しかし、それだけでは商品ができません。信頼性技術やお客さま

   へのアフターサービスをも考えて使いやすさと信頼性を真剣に
   考え、かつコスト生産性にたいへんな努力と工夫を必要とします。

この3つの要素が備わらなりと企業のビジネスは成功しません。




萩原は、2018年11月19日に懐かしい、イメージセンサー生産拠点の
SONY熊本テックを訪問して、その話をしました。その時の記念写真は、
後輩達との大切な思い出となる、萩原にとって、貴重な宝物です。




1975年当時のソニー中研時代、ほんの10数人の開発研究者の中で、新入りの萩原が
一人で自前で設計CADツールを構築しそのCADを使って設計し、先輩の狩野課長と
松本係長がCCD imagerのプロセスを担当し、安藤課長と粂沢先輩がCCD imagerの
特性測定を担当して、総力をあげて開発した 8番目の ITL 方式のCCD image
sensor chip ( ICX-008 )の写真です。横型Overflow Drain と透明電極を採用しま
した。唯一の未解決問題は、MOS型容量型の受光素子で、シリコン結晶と酸化膜の
界面に強い電界が常に存在する為に、暗電流が発生し、局所的に暗電流が多い
絵素では白点となり画像を劣化させて、chip 歩留まりが良くありませんでしたが、
SONYは世界で初めて残像のない高速アクション可能で色あざやかな映像を可能に
しました。これは、SONYで最初の商品化だけでなく、国産第一号の商品化でした。

日本発明協会公式WEBサイトを参照してください。

http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/innovation_detail.php?eid=00059&test=open&age



SONYは世界ではじめて、残像のない高速アクションビデオカメラを商品化。

全日空(ANA)に納入しました。ジャンボ 747 ジェット機のコックピットに
搭載し、世界で初めて鮮明で残像のない離着陸の高速映像を実現しました。

離着陸の衝撃ショックにも強い固体撮像素子の威力を証明しました。

それまでのビデオカメラはN+Psub接合型のPhotodiodeが採用されていて
青色感度は良好でしたが、残像があり高速アクション映像は無理でした。




しかし、CCD型のMOS容量の透明電極を採用した受光素子にも致命的な
問題が山積みでした。まず、CCDは元来、MOS容量型である為に、シリ
コン界面に電界があり暗電流ムラが大きくて白点が多発。量産性乏しく、
生産歩留まりがなかなか向上しませんでした(大涙)。



萩原はまず受光部を埋め込みCCD型のMOS容量型受光素子(Photodiode)に
する事により、信号電荷がシリコン界面の捕獲準位から保護して trap 雑音が
なくなすことを考えました。しかし、これではまだ暗電流は減りませんでした。




そこで、この埋め込み型CCDの薄い拡散層による完全空乏化転送の動作を
保持して残像のない映像特性を維持したまま、表面の暗電流を失くす方法を
どうすればいいのか、考えこみました。そして、一瞬のひらめきでその解を
萩原は見つけました。下の図は萩原が考案した特許の従来の ILT方式の
CCD image sensor の断面図ですが、これにちょっと変化を加えるだけで
解決することを発見しました。




CCD型のMOS電極を採用していては、かならず表面に強い電界が生じ
絶対に暗電流はなくなりません。それで、萩原はCCD型の受光素子を
採用することをあきらめました。その代わりに表面に濃いP+の拡散層
を形成し、Hole Accumulation 領域にして、表面電圧を固定(ピン
留め)することを考案しました。これが ピン留めされた、受光素子の窓、
Pinned window の発明であり、ピン留めされた、受光素子の表面、
Pinned Surface の発明であり、ピン留めされた、受光素子そのもの、
Pinned Photodiodeの発明となりました。このピン留めするためには
表面に 1平方 cm あたり、  2 x 10 の13 乗あたりの濃い boron
原子のイオン打ち込みと適度な高温アニール技術が必要でした。
そうして、表面に Hole Accumulation 領域が形成されることを
萩原は イオン打ち込み技術を開発し、プロセス条件を着き留めて
文字通り、Photodiode をピン留めすることができました。これで、
暗電流の発生も止めることができました。



1978年、萩原は窓あきで、表面電位がピン留めさらた受光素子、
Pinned Photodiode の受光素子の考案発明した事と、その原理
試作に成功した事を報告しました。短波長光感度が良好で、かつ、
暗電流が非常に少ない、 image sesnor として、東京で開催の、
半導体デバイスの国際学会、固体素子コンフェレンス 1978 で
技術発表しました。

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P+NP_junction_type_Pinned_Photodiode_1978_Paper_by_Hagiwara (PDF)

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P+NP_junction_type_Pinned_Photodiode_1978_Paper_by_Hagiwara (PDF)
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その2年後の1980年7月1日には、SONYはこの萩原発明の Pinned Photodiode
を搭載した、 570H x 490V の Frame Transfer 方式 CCD Image sensor を
搭載したビデオムービを、盛田会長が New Yorkで、岩間社長が Tokyo で
Press Conference を開催し、大々的に新聞発表しました









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The AIPS image sensor watching at its inventor, Yoshiaki Hagiwara.
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