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The AIPS ( Artificial Intelligent Partner System ) Home Page 026

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(1) Introduction

(2) Sony original HAD sensor の背景

(3) the pinned photo diode と Sony original HAD sensorは同じもの

(4) 萩原良昭の自己紹介と活動報告

(5) 萩原1975年出願特許( Hagiwara Diode の発明)のお話

(6) 米国 Fairchild社とSONYの特許戦争について

(7) NEC日電とSONYの特許戦争について

(8) Fossum 2014年 Fake 論文について

(9) まとめ

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これは人工頭脳(人工知能を搭載したコンピュータ)がどの様に外の世界を認識し

理解し、人間の様な振る舞いをするのかを研究するお話です。まずは、外の世界

を人工頭脳が感知(sensing)するかの勉強から始めます。人間でいうと、人間の

目の網膜に相当する受光素子構造のお話です。人間がものを見て理解するには、

すなわち、外の世界の情報が脳の中に取り込まれるには、大きくわけて3つの

部分が必要です。すなわち、




(1)光信号を信号電荷(電子のかたまり)に光電変換する、目の網膜細胞と、

(2)その信号電荷を網膜細胞から脳に伝達する神経線(信号伝達線)と、

(3)神経線で送られたきた信号電荷を受け取る、脳の中にある記憶細胞です。




この3つの部分が機能してこそ、外の世界の情報が脳の中に取り込まれます。


人間の体は炭素・酸素・水素・窒素等を主成分とする構成物質で形成されます。

しかし、人工頭脳は、シリコン・酸素・金属原子を構成物質とする半導体という

物質で構成されます。



(1)目の網膜細胞に対応するのが P+NPNsub 接合の半導体構造です。


   1975年2月20日にSONYに入社し、ビデオカメラの開発研究をしていた

   萩原良昭が 1975年11月10日に申請受理され、SONYの特許権利化が

   成立した発明特許です。「賢い電子の目」、すなわち人工網膜構造に

   関する発明特許です。

 
   現在、世界で広く活躍するビデオカメラやスマホや産業ロボットの

   「賢い電子の目」、すなわち人工網膜構造に関する発明特許です。

  
   SONYはこの萩原考案の発明特許を武器にし、長年の他社からの

   特許権利化戦争に勝ち抜き、SONY original HAD sensorの商標で

   SONYの商品ブランドイメージを確立させ、多くの勤勉な技術者の

   研究・開発・生産に渡るすべての分野での絶え間ない努力の結果、

   CCD image sensor の市場を制覇し、さらに CMOS image sensor

   の市場をも制覇するに至りました。



   この人工網膜構造が一番重要です。光信号を電気信号に変換する

   構造体です。その光電変化効率が一番重要です。超感度で、残像が

   なく、かつ低雑音で、低暗電流を特徴とする画像を提供することできる、

   この高性能な光電変化機能を持つ、光受光素子構造が一番重要です。



(2)つぎに、網膜細胞から脳に信号電荷を伝達する神経線が必要となります。


   この信号電荷を脳に伝達する神経線に対応するのが、CCDと呼ばれる

   電荷結合装置でした。信号電荷を効率良く低雑音で、すなわちCkT 雑音

   と言われる画像雑音が非常に少ない、CkT 雑音の少ない、非常にきれいな

   画像を提供してくれる半導体素子としてCCDは 1969年に発明されました。


   これはすばらしい発明でした。萩原の学生時代でした。萩原は大学院の

   研究室でこのCCDをdoctor 論文の研究のテーマとして選びました。3人

   の恩師の教授、Prof.C.A.Mead, Prof.T.C.McGill とProf. James McCaldin

   の指導のもと、埋め込みチャネル型CCDの完全空乏化電荷転送の動作

   解析をPhD論文のテーマとして論文を完成させて、1975年2月10日には

   SONYに入社しSONY 横浜中央研究所に配属され、CCD image sensor

   の設計開発とそのビデオカメラシステムの研究に従事しました。


   そして、CCD image sensorは 1980代に入り民生用として完成しました。

   それ以来、長い間、低雑音のビデオカメラの発展に貢献してきました。


   しかし、超高感度ビデオカメラとしては、CCDは貢献していません。


   超感度を実現するのは、(1)の半導体受光素子が不可欠です。


   ビデオカメラの性能は 信号(S) と雑音(N) の比 ( S/N ) で決定されます。


   CCD は、 分母の雑音(N) を小さくするのに大変貢献してきました。


   CCDは 電荷転送配線回路の雑音(CkT雑音)が非常に小さい

    電荷転送装置 ( CTD ) として長年たいへん重要な役割を

   担ってきました。低雑音化にCCDは多大な貢献をしてきました。




   しかし、今では、半導体技術の微細化に伴い、絵素1つ1つに受光部に

   直接 active 回路、という電圧電流増幅回路を装備して信号を増幅する

   ことが可能となりました。


(3)そして、神経線で送られたきた信号電荷を受け取る、脳の中にある記憶細胞です。

   しかし、現在のCMOS Imager では、SNAP SHOT ( Global Shutter)機能を
   持たせるため各絵素に一時記憶メモリ素子(拡散容量またはMOS容量)を
   備えています。 CCD の場合、電荷転送用の CCD shift register自身が
   MOS容量の記憶素子として機能していましたが、CCD容量のないMOS Imager
   では、特別に各絵素に一時記憶メモリ素子(拡散容量またはMOS容量)が
   必要となります。

   萩原1975発明特許 JAP 1975-127646 には、裏面照射型 Pinned Photo Diode
   構造の提案であり、かつ、表面に沿って電荷転送装置(CTD)を備えることを提案した
   特許となっています。




   半導体の製造工程は、CCDプロセスより CMOSプロセス工程の方が簡単です。

   それも追い風になり、実用レベルに削減できた低雑音のCMOS のデジタル回路型

   の半導体電荷転送装置が主流となりました。


   さらに半導体技術の微細化に伴い、CCD型電荷転送方式と比較して、

   CMOS 型の電荷転送方式を採用した CMOS image sensor の方が、

   格段に 消費電力の削減が可能となりました。


   さらに、転送効率からくる、原理的な CCDの限界があります。すなわち、

   「CCD型では信号電荷の転送効率と言われるものが 99.999% 以上は

    不可能である。」 という限界があります。


   その理由は、水平画素数が 4K ~8K などの high vision TV 用となると、

   隣接する絵素の間の混色率が、 


    10K = 10000 ですので、00.001 % x 10000 = 10 % 近くになり、


   この10%の混色率は、無視できる値ではありません。

 
   その結果、色再現が悪い、混色が目立つ、画像の極端な劣化を招き、

   もはや、CCD型の 転送方式を採用した CCD image sensor では、 

   実用に耐える、高画素数の高解像のビデオカメラの実現が不可能です。
   

   

   その理由で、CCD型は画素数の少なかった時代には大変貢献して

   きましたが、今では、CMOS デジタル回路型の半導体電荷転送装置

   が主流となっています。CMOS image senor が主流です。


   これが理由で、昔はCCD image sensor が脚光を浴びていましたが、

   今では、CMOS image sensor と呼ばれる電荷転送方式の image

   sensor が現在主流になっています。

   
   CCD 型とか CMOS 型とかいう、image sensor につく名称の由来は、

   信号電荷をどの様に転送されるかを、すなわち、その転送方式の違いを

   示した転送方式の違いを区別した名称であるということです。


   すなわち、CCD 方式の電荷転送装置を装備した image sensor を 

   CCD image sesnorと言います。


   一方、 CMOS 方式の電荷転送装置を装備した image sensor を 

   CMOS image sesnorと言います。



   しかし、光を感知して、光信号電荷(電子のかたまり)に変換するのは

   光電変換構造です。この(1)の網膜構造のことです。


   この(1)の網膜構造が一番重要です。超感度で、残像なし・低雑音で、

   低暗電流を特徴とする高性能光受光素子構造が一番重要です。

   
   この(1)の光電変換構造が、CCD image sensor と CMOS image sensor

   両方の性能を左右します。


   この(2)の信号電荷転送部は、CCD image sensor方式の信号電荷

   転送構造よりも、CMOS image sensor方式の信号電荷転送構造の

   方が、半導体微細化技術の進歩のお蔭で、有利になりました。


   
   CCD image sensor方式では、転送できる画素数に限界があり、また、

   原理上CCD電極容量の充放電にかかる消費電力も致命的となり、

   CCD 型の信号電荷転方式は市場から消える運命となりました。


   これが、世間一般に現在良く愛好家の間で、「CCD image sensorより、

   CMOS image sensor が性能がいい。」と言われる所以です。


   しかし、性能という言葉には、広い意味があります。

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(1) 絵素数の数(解像度)の大小も性能です。

(2) 信号線の信号転送雑音(CkT雑音)の大小も性能です。

(3)  そして、光感度の大小も性能です。

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この3つの性能についてさらに詳細に説明します。


 
(1) 絵素数の数(解像度)の大小も性能です。

    CCD 型よりCMOS 型の方が高解像化に有利です。



(2) 信号線の信号転送雑音(CkT雑音)の大小も性能です。


   CCD型は原理的にCkT雑音が非常に小さいです。


   一方、CMOS型は半導体技術の微細化により、

    CkT雑音を実用化に耐えるレベルまで低下できる

    様になりましたが、CCD型のレベルには原理的に不可能です。


    暗い画面ではCMOS型は信号線の信号転送雑音(CkT雑音)

    はCCD型に比較して見られます。しかし、注意しないとわから

    ないレベルまで改善され、今では一般の実用に耐えるものです。


(3)  そして、光感度の大小も性能です。


   信号(S)の大きさは光感度に比例します。

 
   超感度とは、光信号を効率良く電気信号に変換することを言います。



   「CCD image sensorより、CMOS image sensor が感度がいい。」と

   誤解している人も多いです。これは間違いです。



   実は、感度は同等です。感度については、(1)の光電変換部の性能

   で左右されます。(2)の信号転送方式ではありません。


   (1)の光電変換部には、 萩原が1975年に発明した pinned photo

    diode が、現在でも 世界中の CCD と CMOS image sensor の

    両方にいまだに採用され続けています。

    
    萩原が1975年に発明した pinned photo diode が、SONYが世界で

    初めて大々的にNYと東京で1978年に 当時の盛田会長と岩間社長が

    自ら記者会見してSONYの社運(ビデオ産業)をかけて発表した CCD

    image sensorに採用されて以来、現在でも 世界中の CMOS image

    sensor にもいまだに採用され続けています。

   
   この1975年に萩原が発明した pinned photo diode、すなわち、当時は

   まだ、このpinned photo diode という名称は生まれていませんでしたが、


   具体的には萩原1975年特許で発明された、P+NPNsub 接合の半導体

   受光素子構造を採用している以上、CCD image sensorも、CMOS image

   sensorも感度は同じです。


   しかし、転送方式の違いによる電荷転送雑音(CkT雑音)には若干差が

   あります。具体的には、暗い画像では、まだCMOS image sensorは

   気づかれないレベルですが CkT 雑音があります。


   信号転送線に生じるCkT雑音の少ない事は、CCDにはかないません。

   CCD転送方式の良さは、このCkT雑音が極端に少ない事です。


   しかし、CMOS転送方式も実用化に耐えるCkT雑音となりました。


   半導体の微細化技術 ( Intel の創設者の Dr. Gordon Mooreの

   sacling 則) の進歩の当然の結果です。


   実は、Dr. Gordon Mooreは、萩原良昭の大学(Caltech)の先輩です。


   また、萩原がPhD論文の指導を受けた恩師である Prof.C.A.Meadは、

   Dr. Gordon Mooreとは長年の友人で Intel 社とも創設時代以来の

   親交があります。


   それで、 Prof.C.A.Meadが初めて 「Moore の法則」と呼ぶ様になり

   世界に知られるようになりました。萩原も学生時代から、このMOS集積

   回路の微細化技術の進歩について学び、実際、Intel社のMOS プロセス

   製造ラインを使って、産学共同プロジェクトで MOS 集積回路を母校の

   大学(CalTech)の研究室で設計して、Intel社で試作し、評価して IEEEの

   学会誌にその成果を発表(共著)したことが学生時代にあります。

   



(3)つぎに脳の中にある記憶細胞に対応する半導体記憶装置の話になります。


   脳の中にある記憶細胞に対応するものは、高速Cache SRAM や USB

   メモリ等で代表される不揮発性記憶素子(NVRAM)と呼ばれるものです。


   脳には他にもいろいろな信号処理機能を持っていますが、電子頭脳では、

   これは processor と呼ばれるもので、大規模デジタル回路で構成される

   半導体集積回路のことで、いろいろな信号処理機能を実行します。その

   いろいろな信号処理を手順よく実行するためにはいろいろなソフトウェア

   が必要となります。人工知能とはこのソフトウェアそのものをも意味します。







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これは70歳じじいのぶつぶつぼやきの独り言でした。

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The AIPS image sensor watching at its inventor, Yoshiaki Hagiwara.

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